この作品、邦題の付け方を間違っている。
一攫千金でウハウハハッピー！スカッとするぜ！みたいな作品を期待しているなら観ないほうが良い。
完全に社会批判の陰鬱な映画。
彼らが賭けているのはアメリカ経済の破綻であって、賭けに勝って儲けるということは、一方で大量の失業者が出て大量の公的資金が失われ、自殺者など含め大量の死者が出るという結末を迎える。
最終的に笑顔で終える人は誰もいなかった。
CDO, CDS, MBSなどの専門用語は調べながら観ないと分からなかったが、リーマンショックの概要が良く理解できた。
途中、難しい話はインサートとして有名人が小芝居をしながら教えてくれるという面白い構成。合成CDOの例えはとても分かりやすかった。
作品の主張としては、アメリカの金融業界がいかに腐敗していて、その体質がリーマンショックを経ても根本的には変わっていないということで、投資のリスクを考えさせられる内容だった。
あと、芝居がみんな素晴らしい。
キャラクター強めな人たちが多く、ほとんどが会話で進行する作品だが、キャラクターの作り方やテンションのリアリティーが素晴らしかった。
会議室だけで終わってしまう内容に、アクセントとしてラスベガスなどを取り入れたのも画変わりがあって良かった。
2022 No.28
