チャンミ

マネー・ショート 華麗なる大逆転のチャンミのレビュー・感想・評価

4.0
原作者が『マネー・ボール』と同じということで名付けられたのだろうが、邦題が作品の中身をまったく指してないという恐ろしい愚行のせいもあり、金融がらみのチーム活劇を想像していたら、3つ及び0.5の視点からの、サブプライムローンの不良債権化に端を発する金融地獄を描く、秀作だった。
後味ははっきり言って悪いが、その語り口はポップで鮮やか。

大いに笑わされたリュダクリスの“Money Maker”はじめ、07〜09年を中心に、サブプライムローンが生まれるまでの時代遡行を当時の流行歌や映像を挟み、喜劇的なテンポの良さで見せてくれる。
字幕解説と、0.5の視点であるライアン・ゴズリングのナレーション及び、彼含め幾人かの登場人物(セレーナ・ゴメスも!)が観客に事実を解説し語りかける、メタ視線が巧み。
……ながらやはり専門的なところに乗り切れない、とは言え、むしろそれこそこの問題に振り回されている我々小市民の感覚、として現実的なのかもしれない。

現在の不況と地続きと思うと苦い。
チャンミ

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