チャンミさんの映画レビュー・感想・評価

チャンミ

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落下の解剖学(2023年製作の映画)

4.2

『落下の解剖学』すさまじい作品だった……
自宅から落下した夫の不審死をめぐる法廷サスペンスの枠組から、言葉という社会的なツールを通して逆説的に、一人の女性の肉体性、多層的な側面が浮かび上がる。「LGB
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エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

5.0

CINRAにエッセイを書きました。

https://www.cinra.net/article/202303-eeaao_gtmnmcl

おもに、アジア系としての表象をめぐってその多層性についてや
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別れる決心(2022年製作の映画)

4.2

2/27発売の「ユリイカ」(特集 パク・チャヌク)で、映画研究のイ・ヒャンジンさん、エディトリアル・デザイナーで#FREEUSHIKU で移民・難民問題などにも取り組む宮越里子さんとの座談会、自身の批>>続きを読む

プロミシング・ヤング・ウーマン(2020年製作の映画)

4.6

主人公のキャシーは昼はコーヒーショップで働き、夜はクラブで泥酔したように見せかけ、その状態の自分を連れ帰りレイプしようとする男に制裁を加えている。と書いたがこの映画の巧妙な点は、そのシーンはじめ、直接>>続きを読む

マルコム&マリー(2021年製作の映画)

4.1

異性愛のカップルが関係性、その男が作る映画、題材となった女が抱える問題・困難、好意的な批評すら不満に思う神経質な作家性、などをめぐる口論が続く一夜の物語は、破滅を匂わせながらユーモアとの緊張関係がある>>続きを読む

パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)

4.1

うまいんだけど。

チョン・ヨジョン、パク・ソダム、チャン・ヘジンが抜群に良い。ソン・ガンホはもちろん他の俳優陣、10人程度でそれなりの長尺のほとんどをテンション落とさず引っ張ったのは、脚本のうまさ、
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キャプテン・マーベル(2019年製作の映画)

4.0

ブリー・ラーソンが、これまでキャリアで積み上げてきた「傷つきやすい/傷を負った・庇護者」(『ショートターム』『ルーム』)、ヘテロセクシュアル前提の男性への恋愛的媚びのないエンタメ路線(『フリーファイヤ>>続きを読む

芳華-Youth-(2017年製作の映画)

3.2

前半の「文工団」の踊りと音楽と歌、友情や恋愛の瑞々しい青春感と、その前提となっている中国・ベトナム間の戦争の様子を後編の半分に当てるコントラストのつけかた、その戦争の様子はワンカットで『プライベート・>>続きを読む

夜の浜辺でひとり(2016年製作の映画)

3.9

キム・ミニがひたすらかわいくてですね、やさぐれてても、が、最後の飲み会は絶対参加したくない、と思うと同時に、なぜならそこで話されていることは振れ幅はあれどなんらかの親密さのなかでおそらくほとんど誰もが>>続きを読む

オーシャンズ8(2017年製作の映画)

3.4

フェミだフェミだと(SNS含め)わたしの周囲では騒がれていたので期待値を高くし過ぎていたのか、それほどでも、というかんじ。
人種、(作品には関係ないけど)セクシュアリティにおいて、これほどバランスを意
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タイニー・ファニチャー(2010年製作の映画)

3.5

『GIRLS』前哨戦(なのに日本語字幕がオール女ことばなのはほんと興ざめです……)。

きみの鳥はうたえる(2018年製作の映画)

4.1

クラブのシーンからは泣きっぱなし。
ヒップホップ、ブレイクビーツがエモーショナルだとみせた、はじめての日本映画じゃないかしら。
その要は、Hi'Specのトラック、OMSBのラップであるのはまちがいな
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親密さ(2012年製作の映画)

4.5

明け方の丸子橋を歩きたい。

それから、後編の、後ろからカメラが捉えた、あの肩幅の悲哀と抱擁力のすさまじさと言ったら。
日本映画史におけるすばらしい、類を見ないクィア映画として評価されるべき、というこ
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寝ても覚めても(2018年製作の映画)

4.2

先月試写後のうろ覚えメモベースの感想↓

観賞後は、柴崎友香の原作のすばらしさを思い返して改めて彼女の小説のすごみにうっとりするのだけど、よくよく考えてみると、柴崎さんが文字で取り組んで築き上げてきた
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カメラを止めるな!(2017年製作の映画)

3.4

映画の構造としては、はじめの30数分の途中で出ようかとおもうほどだったけど、その後の展開させ方には驚かされたし、「パニック」映画としてじゅうぶんに楽しんだ。
けど、同じようなテーマ、「ワンカット」の要
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ウインド・リバー(2017年製作の映画)

3.8

あいかわらずうまい。
痛みやままならなさを、映画描写だけでなく物語のなかで立ち上げる。
脚本への執念を感じる。
父娘の関係の喪失感を、擬似的に解消していくふたつの「年長と男と年少の女」の関係性のトリル
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万引き家族(2018年製作の映画)

3.7

物理的、精神的な虐待にあう子どもがその環境以外の生存の可能性や、血縁によらない家族、共同体の形成が探られる前半は(最近も痛ましい事件があったからこそ余計に)胸を打つ。
セックスの後に帰ってきた子どもた
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