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陰画の手
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『陰画の手』に投稿された感想・評価

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 デュラス特集にて。『マルグリット、あるがままの彼女』と併映。18分の短編。『船舶ナイト号』という長編映画があって、それに使わなかったフィルムにデュラス自身のナレーションをつけることで成立した作品だそう。読み方は「ネガのテ」。

 夜明けごろのパリの市街をひたすら車で走り回って撮影した映像に、直接関係なさそうな物語の朗読が重ね合わされる。内容は(たしか)フランス南部の海岸の洞窟で発見された、3万年前の手形について。青か黒のインクでべたっとつけられた手形の主に、語り手は静かに思いを馳せる。はるか昔の見知らぬ誰かに感情移入することで、自分の思いを誰かに伝えたいという感情を呼び起こし、それを「愛」とまで呼ぶ、みたいなお話?
 ただ、そうしたナレーションの中身と画面に映っている現代フランスの街並みとの繋がりはむずくて、正直そこまで大きな効果を上げてるようには自分は思えなかったなぁ。石造りのフランスの建物を映すくだりでは洞窟との相似を感じたりもしたけど。そもそもこの映像自体は、ふつうの映画だったらドラマのあいまのイメージ映像みたいに使いそうな感触なんだけど、肝心の『船舶ナイト号』をまだ見てないのでどういう種類のフィルムだったのか分からんというところはありますね……。

 デュラスは小説作品の『愛人 ラマン』を以前読んだぐらいなんだけど、あれも地の文のたゆたうような語りが非常に印象的な作品でした。作り手本人の語りのつらなりが作品全体の流れやトーンを決定づけてる感じがあって、それは彼女の映画にも共通している気がする。映像と音=言葉との関係性の問い直しみたいなものが映画製作のひとつのテーマであったらしいのですが(ゴダールのソニマージュと近いけど手つきはけっこう違う?)、それって必然的にストレートではない前衛的なものになりがちで、でもそれが完全に奏功してる映画があるとすると!……みたいな期待を持って他の作品も観てみます。
最初見たときはただ車の窓から映した映像にナレーションつけてるだけで映画と呼べるのかと懐疑的だったけれど、今思えばそこに味わいとか独特なものがあって中々癖になるようで良かったとすら感じてしまう。
デュラスの短編②
通奏低音のようなチェロの響きと共に映され続けるゴミだらけの朝方のパリ。マクドナルドの看板や胡散臭い東洋料理店の並び(「OSAKA」という店があった)を「美しい」と感じるのはなにゆえか。
同じ作業服を着た八人の掃除婦の手前を白い車が高速で横切って坂を登る場面がやたら鮮やかに残っている。デュラスの朗読はすごくいい響きだったけど内容は全く覚えてない。多分時間に関するポエムだったと思う。「夏(ete)」って言ってたのだけ覚えてる。

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