メルボルンより更に明確にユダヤ性が打ち出されてくる。娘を産み死ぬ母、吊るされても体重が軽すぎて死にきれない父。木材搬出所、荒廃した線路は強制収容所を連想させる。正直「またこれやんのかい！」と思いながら、48分中49分くらい寝た。

気を失っていた。

今回の特集で初めてデュラス作品を鑑賞した。正直、彼女に抱いていた印象は『二十四時間の情事』であり、作家的共通項から言えばロブ=グリエの監督作に近いかもしれない。ということだ。

少なくともこの時期の短・中編作品がものすごく似通ってる。横移動が主で線的な移動を撮って、詩を重ねる。作風と言えばそれを楽しめるかで感想が変わると思う。アンチ・ロマンはともかくとして、移動撮影が始まると「なんか『夜と霧』みたいだなあ。でも詩が乗っていることで伝わってくる筋書きなりがあるわけでなくおそらく押韻でもしてるとかなんだろう。だからなのかミニマルなんだけど、あまり飽きは来なくはある。で、他作品は正直終わっていた。

いや、やってることが変わらないって言ったらこれも同じですよ？でも、モノクロの静謐さだったり、クローズアップや靄のかかった景色だったり、映像的に取っ付きやすい。