水平移動する映像が不明瞭な語りを締めるメルボルン篇から一転、声が映像を牽引する本作ではユダヤ性がより鮮明となり全編へ滲みだす。デュラスの声は緩急をやや強める。材木場の廃墟、ノルマンディ、収容所、20…
>>続きを読む今回の特集で初めてデュラス作品を鑑賞した。正直、彼女に抱いていた印象は『二十四時間の情事』であり、作家的共通項から言えばロブ=グリエの監督作に近いかもしれない。ということだ。
少なくともこの時期の…
メルボルンより更に明確にユダヤ性が打ち出されてくる。娘を産み死ぬ母、吊るされても体重が軽すぎて死にきれない父。木材搬出所、荒廃した線路は強制収容所を連想させる。正直「またこれやんのかい!」と思いなが…
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