イチロヲ

現代ポルノ伝 先天性淫婦のイチロヲのレビュー・感想・評価

現代ポルノ伝 先天性淫婦(1971年製作の映画)
3.5
放蕩者の母(三原葉子)を反面教師にしている娘(池玲子)が、多様な性愛模様を繰り広げながら、母親超えの境地へと近づいていく。魔性の女の血筋を描いている、東映ポルノ路線。フランスのポルノ女優、サンドラ・ジュリアンを招聘している。

女心を射止めるスケコマシ野郎(宮内洋)、インポに悩まされているヤクザ(小池朝雄)、来日したフランス美女(サンドラ)という顔ぶれが、池玲子(当時16歳)を相手に愛欲のドラマを展開。レズ・シーンの撮影時には、総勢50名の報道陣が集まったそうな。

池玲子を大型新人として売り出していた時分の作品のため、全体的に彼女のプロモーション映像のようになっている。まるで母親役の三原葉子から、ヌードも厭わない体当たり女優のソウルを引き継ぐような物語。そんなメタ視点で観ると、感慨深いものがある。

鈴木則文のサービス精神はあいかわらずのもの。画面全体に照明を当てた、くっきり映像の中で、あらゆるシチュエーションの健康的なエロを拝ませてくれる。なお、宮内洋はサンドラ・ジュリアンと共演したことを、いまだに自慢話にしているそうな。
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