爆裂BOX

ディアボリカルの爆裂BOXのレビュー・感想・評価

ディアボリカル(2014年製作の映画)
3.0
「バイオハザード」シリーズや「ファイナル・デスティネーション」のアリ・ラーター主演のホラーです。
郊外の住宅地で幼い娘と息子を育てているシングルマザーのマディソンは、夜毎謎の発光現象や震動が家の中で発生し、顔面が溶け、体中血塗れの怪人が出没するという怪現象に悩まされていた。警察や超常現象研究家もあてにならず、原因もわからない中、壁や天井から現れる怪人は子供達迄襲い始める。化学教師の恋人ニックと共にマディソンは本格的な調査を開始し、驚愕の真実を突き止めるというストーリーです。
前半は家の中で夜毎謎の怪人が現れたり、謎の震動や家電製品が勝手に動き出したりする怪現象に主人公が悩まされるという展開が繰り返されて、ハウス・ホラーのような感じで進行していきます。顔が溶けた様な怪人や、洗濯機から現れる皮が剥がれたように全身が血塗れの怪人のビジュアルや、壁や天井すり抜けて現れる所等は不気味でいい感じですが、怖さは全くと言っていいほどないですね。テンポは良いけど、上記の様に展開としては同じことの繰り返しですし。
シングルマザーの主人公が暴力的な傾向がある息子に悩んだりといったドラマ部分も描かれますが、これも一応後半への伏線になっていましたね。でも、この主人公生活ギリギリっていう割には、働いてるような様子無いし、超常現象研究家とか呼んでたりするし、そこまで生活苦しそうな感じの描写ないですね。その割には大企業に雇われた不動産屋が立ち退きの話持ってきても頑なに応じないけど、お金くれるし、夜毎怪人とか不気味な現象起きて、子供達も「引っ越そうよ」と言ってるのに頑なに引っ越さないのは何故?まあ、途中で子供達外に出たら異常が起きたりして外に出してはいけない!みたいな展開にはなりましたが。
化学教師で恋人でもあるニックと共に機材持ち込んで自分達で本格的な調査始める後半からジャンルが変わってきますが、ポスターやジャケットで完全にネタバレしてるんですよね。後、こういうジャンルスイッチ系の作品なら種明かしのシーンで「あ!そっちか!?」となる一瞬がありますが、今作は台詞でダラダラ説明するからイマイチ驚きというか「してやられた感」が少ないですね。というか、主人公達が「未来から囚人送り込まれてる」というのを呑み込むのも早すぎる気も。すぐ「殺してやる!」になっちゃうし。あの人が現れてからちょっとスラッシャーっぽい感じになるのは好きでした。
アリ・ラーターは相変わらずお美しい。ホットパンツ姿で生足だしてるシーン多いのも眼福です。娘役のクロエ・ペリンちゃんも大変可愛らしい少女で、特にニックも交えて人生ゲームみたいなのしてる時にこっそりゲーム用のお金隠してる所抜群に可愛かった。兄のジェイコブは激昂して暴力振るう所はあれど、妹イジメられてるので怒ったりと妹思いな一面は感じましたね。
後半真相が明らかになって逆に疑問が増えた気がしますね。何で企業がこの家に囚人送り込んできたのかもハッキリしませんし、三体いるって言ってたけど全部あの人だったのかそれとも別の人なのか(他の囚人は酷いことになったって台詞あるから別人っぽいけど)、そもそもあの人も送り込まれてから何がしたかったのかわかりませんし、伏線の回収が雑に感じましたね。
あの人がとった行動が結果的に未来へつなげていくのかと思いきや、帰ってきたことで未来が変わったのかもと感じさせるラストは良かった。
怖くはないしツッコミ所も多数ですが、それを気にしなければまあ暇潰しにはなるかな?という作品だと思います。