天豆てんまめ

猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)の天豆てんまめのレビュー・感想・評価

4.0
最初から最後までずっとシーザーに感情移入。もはや、自分が人間であることを忘れ、ただひたすらにシーザーの深き葛藤に心揺さぶられ、人間以上に人間なシーザーに最後は泣かされた。源泉たるアンディ・サーキスの感情表現も素晴らしいのだと思う。

対峙する大佐役のウディ・ハレルソンも素晴らしかった。シーザーと大佐が敵のリーダー同士ながら、どこかリスペクトを感じさせる2人の対峙シーンには緊張感とこの世界の絶望が伝わってきて、素晴らしいシーンだった。言葉が話せなくなる人間の在り様も考えさせられた。そして、希望の象徴でもある少女ノバとオランウータンのモーリスの母子のような心の交流もいい。シーザーの息子がコーネリアスと、パラレル世界とも言われる過去作品へのオマージュも散りばめながら、アクション映画として「猿の大脱出」的展開や怒濤のクライマックスも見事。

大満足の大円団。でも、過去作は過去作としてパラレルとして新展開を続けようと思えれば、続けられる。ノバという少女がどう成長し、猿と共存していくのか。この未来の物語を新たに紡いでほしいような気もする。4作目あったら観に行きたいと思う。