GaPTooth

神のゆらぎのGaPToothのネタバレレビュー・内容・結末

神のゆらぎ(2014年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

グザヴィエ・ドラン出演作品。
誰もが他の誰かの言動に影響を受けることがある。大切な決定をしなければならない場合、それはどれだけの影響力を持つのだろうか。

エホバの証人の場合は、聖書から多大な影響を受けていることが見てとれた。本編中、白血病で苦しむエティエンヌが[使徒15章28,29節]と[創世記9章4節]を呟き、唯一の治療法である輸血を拒む。家族は「試練」と受けとめる。

冒頭でエホバの証人の集会場面が描かれている。エティエンヌが聖書を開いて読み、説明しているところからして、聖書を通して与えられた"神の掟"に従いたいとの決意は固いと予想できるシーンだ。

一方、婚約者ジュリーもエホバの証人だが、彼女の信仰は、伝道中に出会った"老人の言葉"に強い影響を受けて揺らぐ。そして目の前に起きている事態に、彼女は自分なりの決定を下す。

この"老人の言葉"は、本編中に何度かでてくるし、ラストを締め括るのもその言葉だ。
他のキャスト演じる[ギャンブル依存][アル中][不倫][性的虐待][犯罪者]たちも、自分の決定によって身に受ける報いは明暗を分けた。

一見、何の関係もなく別個に描かれてきたキャストたちが、終盤で結びつく辺りは、途中から先の読める展開。
[スポットライト世紀のスクープ]ほどの破壊力はなかったと思う。
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