ランティモスらしい、特定のルールに縛られた人々というシンプルなシチュエーションから展開されていく物語が面白い(独身は動物になっちゃう！ていう設定だけで終わらせてない)。夫婦関係が強制され、独り身は突き放されるという世界観は現代社会の冷酷な風刺にも見えるし、視点がとても無機質だからこそのシュールさもあり、映画としてバランスが巧い。前後半で愛が強制される世界・制限される世界の両極端が分かれているのは良いが、後半から舞台が変わった事で前半のユニークさが無くなってしまうのはやや残念だったかな。とはいえ、両者の共通点が恋愛の基盤であるという前提で進んでいる上でのあのオチは、とても余韻があって良かったです。個人的には逃げちゃったんじゃないかと思う
