このレビューはネタバレを含みます
●以前から興味はあったけど、観る機会がなかったヤツを観てみた。
●ヨルゴス・ランティモス監督作品。
●『変な作品』か?『アート作品』か?『シュールコメディ』か?分類が難しい。分類する必要もないけど。
●前半は『もっともらしいセリフ回し』『シリアスな劇伴』でカモフラージュされたシュールなコメディだな…って感じ。個人的に『犬は?』「兄です」のやりとりで『これ笑っていいヤツなんだな』と判断した。
●後半は、急にメッセージ性が強くなった感じ。笑える部分が激減。
●多分、色々なメッセージやメタファーが込められてる作品。観終わったあとで『反芻』したり、誰かと感想を述べあったりすると楽しさ倍増しそうな作品。
●ハマる人はハマる。それ以外の人は『ポカ〜ン』…な作品。
●個人的には、当然ながら『珍味』映画として分類する。やはり、この監督を言い表すには『奇才』って言葉が最適。
●ロブスターより伊勢エビの方が美味いと思う。
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↓個人的考察
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●従来の価値観に則って生きる方が『ホテルの快適な環境』で暮らせて楽だけど、不自由・不自然・滑稽な部分も多いし、自分を偽る必要もある。
一方、既成の価値観にとらわれずに自由に生きるのは『森の厳しい環境』を耐えなければならないし、かといって必ずしもそこで生きる者の価値観が全て同一でもない。
また、価値観は変化するものなので、自身の価値観に縛られ続けるのも愚かである。
●他者に合わせるために自分を偽るなんて、良くあるコト(恋愛では特に有りがち)。
それで無理が生じるコトもあれば、その『嘘』が『誠』になるコトもある。
●エンドクレジット中の波の音は、『二人で海辺の街で暮らし始めた』のか?『男がロブスターになった』のか?観る人の価値観によって判断が変わる。
そして、どっちと判断したかだけでなく、ハッピーエンドなのか?バッドエンドなのか?の受け取り方も人によって大きく違うと思われる。
●まだまだ色々な考察が出来るであろう作品。