ピロシキ

人生タクシーのピロシキのレビュー・感想・評価

人生タクシー(2015年製作の映画)
4.1
自由に映画を製作できない監督が、自身の境遇を他の登場人物たちに投影させて説明し、「やっぱり何かおかしいよね」と客観的に笑い飛ばすという構図が非常にアイロニックで、面白い。

そして、ドキュメンタリータッチという体裁をギリギリで保ちながらも「やっぱりこれも上映禁止でした」っていう現実のオチにジワる。過去作を遡っても監督のメッセージは一貫しているし、それを取り巻く環境も一向に変化しない。ならもう、笑うしかねぇ(笑) っていう一種の諦念の表れなのだろうか?

それでもなお、「映画の題材なんて、自分で探し出すしかないさ」という自身の発言を忠実に守りつつ、一見の価値がある「映画」を生み出し続けるパナーヒー監督には、ただただ頭の下がる思いであります。
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