ニコール・キッドマンの使い方にジェームズ・ワンのハリウッド監督としての熟成を見た。オープニングではクラシックな演出の中で平然と"男女逆転"をやってのけたかと思えば、伝統的聖母&男王の話を真っ向から描いていて、こうしたあらゆる思想と互換性を持った物語を創造するあたり、スピルバーグの直系ともいえる。
津波とも洪水ともとれる巨大な水のうねりがアクアマンの車を襲うシーケンスは、スマトラ〜3.11や一連のハリケーンなどの現実の記憶を想起させつつ、それらと全く別の映画的体験を呼び起こしていて凄い。
「もうこれ以上はできませぇん!」と画面が叫んでいるラストの水中満員大合戦には呆れながら感動。『タンタン』(スピルバーグ!)に直接的に影響されたと見えるシチリアのアクションも楽しんだ。
@ AMC Empire 25
演出0.9
人間0.9
構成0.7
驚き0.9
趣味0.9
※
演出=総合的な演出
人間=俳優および被写体の魅力
構成=脚本や画面の全体的な構成
驚き=斬新さ、意外さ
趣味=個人的な好き嫌いの印象