たくろー

エベレスト3Dのたくろーのレビュー・感想・評価

エベレスト3D(2015年製作の映画)
4.0
劇場でIMAX3D・字幕版を鑑賞しました。
実際に世界最高峰エベレストで起きた出来事を元に、エベレスト登頂を目指す公募隊のガイドと参加者、彼らの家族やそれをサポートする人々を描いた映画。

ちらほら聞く評判は「映像は凄かったけど...」というもの。
どちらかというとパニック映画に近い見方をされている方が意外と多いのかも...?

劇中でもそのまま台詞として登場する問いで、”なぜ山に登るのか”、というものがあります。
エベレスト登山について、なぜそんなに大変な思いをして、それこそ命を懸けてまで登頂を目指すのか、というところで、劇中においてもハッキリ答えが出ることはありません。
おそらくそれは様々な要素が混ざり合って生まれる意思でしょうし、その要素についても各人で違ってくるので、ただひとつの決定的な回答なんてものは最初から無いのでしょう。

しかし、登山に限らなければ、他の人から見れば無意味・無価値のように思えることに挑戦したり、それに生きがいを感じる人は少なくないのではないでしょうか。
そういうところでの置き換えが上手くいけば、登場人物に共感することもできるかもしれませんね。

ところで、なんと自分の場合はこの映画を見て「エベレストに登ってみたい」と思ってしまいました。
もちろん現実に登ることはないと分かっている上での無責任な願望ですよ?
しかし世の中には、「お金がかかるから...」とか「危険だから...」とかいうようなことを乗り越えて、実際に行動に移してしまう人がいるわけです。
そういう人々に対する憧れというか羨望が、登ってみたいと感じた自分の気持ちの中に含まれているのかもしれません。

話の筋だけ見ていけば、皆勝手な振る舞いをしていて、そのために悲劇を招くことになるので、「ほら言わんこっちゃない...」と思う方がいるのもわかります。
しかし、その上でなんとか頑張ってほしいという気持ちが沸き起こってくるんです。
少しでもエベレストに登ってみたいという考えを持ってしまった自分は、その気持ちを勝手にそれを劇中の人物(具体的にはダグというキャラクターでした)に託していたのかもしれません。
たくろー

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