序盤は「やっぱりバツバツ進行する映画は苦手だなあ」という印象だったが、途中からこの作品には「描きたいことがありすぎるんじゃないか」（原作との兼ね合いもあるが）と思い始め、なんだか愛おしくなった。
製作者と原作者の熱と想いの強さは誰が見ても明らかなほど細部に宿っていた。各シーンの背景の緻密さと細かいメタファーの数は尋常ではない。自分はここまでの想いで何かをしたことがあるだろうか。
かなりの回数グッときた。すずさんの、基本的なことを理解していなかったり、しょっちゅうボケをかましたりするところはまるで自分を見ているようで共感ポイント。ここまで明るく強くはないけど。
一番手っ取り早く（と言ったらなんだけど）日本も捨てたもんじゃないなと思える方法『この世界の片隅に』。アニメ以外でもそう思いたい。
