ざわゾンビ

この世界の片隅にのざわゾンビのレビュー・感想・評価

この世界の片隅に(2016年製作の映画)
4.4
日本に生きる人間として忘れる事のできない、忘れてはいけない、1945年8月6日。

当事者にそんな意識は無いものの、その事実を知っている僕にとって、その日に向かう無意識の歩みを見ていることがとても辛かった。

戦争という非日常の中で、日常を生きる登場人物たち。
本当の本当に日常である。
仕事をして、ご飯を食べて、恋をして…
この日常が非常に微笑ましく、小規模ながらも小さなドラマがいっぱいあって、すごく愛おしい。

玉音放送を聞いた際の、のん(能年玲奈)が演じる主人公の慟哭は、戦争を取り扱った邦画作品の中では聞いた事のない、説得力のあるものでした。

作品を制作する為の資金調達がクラウドファンディングである点や、独立したメッセージ性から、間違いなく邦画のニュースタンダードになり得る作品です。

観よう観ようと思いつつもここまで放置した自分を情けなく思います。
本当に素晴らしい作品です。