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この世界の片隅にのtottsunのレビュー・感想・評価

この世界の片隅に(2016年製作の映画)
4.0
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「この世界の片隅に」
1944年広島。18歳のすずは、顔も見たことのない若者と結婚し、生まれ育った江波から20キロメートル離れた呉へとやって来る。それまで得意な絵を描いてばかりだった彼女は、一転して一家を支える主婦に。創意工夫を凝らしながら食糧難を乗り越え、毎日の食卓を作り出す。やがて戦争は激しくなり、日本海軍の要となっている呉はアメリカ軍によるすさまじい空襲にさらされ、数多くの軍艦が燃え上がり、町並みも破壊されていく。そんな状況でも懸命に生きていくすずだったが、ついに1945年8月を迎える。
この時期8月になると数多くの戦争映画やドラマ、ドキュメンタリーが放映される。戦争することの愚かさ、悲惨さ。そういったものを風化させないために見るべきだろうし、心に止める必要があるとは思う…けど本当にそういうものたちは泣かずには見られなくて人の血とかそういうのが苦手な私としては見るのを躊躇してしまう。
この作品も話題になった当時見るべきか、ものすごく迷って諦めてしまった作品だ。
今回NHKで放送されると知り勢いがないと迷うだけだなと決心し鑑賞。
あれだけ躊躇してたけど見れてよかった。
普通戦争映画っていうと特攻隊や艦隊、そういった最前線の姿が描かれるのが主な気がする。一般人の焦点として描かれてる作品は「火垂るの墓」ぐらいしか私はあいにく知らない。
けどこの作品はより身近であり普通な、少しおっとりしたくらいの主婦であるすずを中心に描かれている。
たった18歳だった少女が顔も知らない相手に嫁ぎ主婦業をこなそうと奮闘する。
まずここの部分だけでも色々考えてしまった。当時はそれが当たり前だっただろうけど私には到底できない。
まともに話ししたことない人を好きになって一緒に生活できるのか…
私は主婦業が苦手だし旦那さんに甘えて家事をよくやってもらうし、特に裁縫が苦手な私としてはあのもんぺを作るシーンはすずと一緒に悩んでしまった。
そして中盤いよいよ戦争が身近に迫ってくる。空襲や爆撃…それがすずの目の前で起きる。
実写ではなくアニメであること、色々な手法で描かれた悲惨なシーンのおかげでそこまで生々しくはないからこそ想像させられ涙が止まらなかった。
当たり前にそこに、目の前にあったものを急に失ってしまうなんて。
やっぱり心がザワザワした。
こんなことが日本で現実に起きたなんて。
ついつい今と比べがちであの時代と今はなんか切り離されたかのように思える時もあるけどあれがあったから、あの時生き延びた人がいたから今の自分に繋がってるってことを旦那さんと話し合って気づけて良かった。
私的には☆☆☆☆かな。
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