エリオット

湯を沸かすほどの熱い愛のエリオットのレビュー・感想・評価

湯を沸かすほどの熱い愛(2016年製作の映画)
4.2
銭湯を含む一帯の全景、煙突、夕陽に染まる鰯雲、くらげの水槽、草むらのダート道を走る車、湯船に浮かぶたくさんの花…そういったビジュアルがいい。

商業映画第1作の中野監督は、とにかく自分みたいなペーペーの監督が映画を作るお金を集めるためにはいい脚本を書くしかないと思って1年かけて脚本を練りに練ったとのこと。
様々な伏線が単に後で回収するためにちりばめられるのではなく、最初に出てくるときからその場面では必然性をもって登場しているので、後々思わず唸ってしまう。

死にゆく哀しみより全力で生きようとする人々の力強さを多少強引にでも肯定する物語自体も自分の好み。
もちろん泣いてしまうのだけれど、泣きたいときに見に行く映画とはちょっと違う気がする…
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