ピュンピュン丸

湯を沸かすほどの熱い愛のピュンピュン丸のレビュー・感想・評価

湯を沸かすほどの熱い愛(2016年製作の映画)
4.5
一時は最高点までつけたくなったほどの素晴らしい作品‼️ もはや何を語ろうにもどこか理屈っぽく、言葉で説明すれば作品を汚すような気がして、うまくできない。

この作品を際立たせるのは、宮沢りえ始め、役者さんたちの好演だが、とりわけ 素晴らしいのは、杉咲花。枯れ枝のようになった母を、精一杯の笑顔で見つめ返すその演技は、いまこうレビューを書きながらも涙が溢れてくる始末・・・

杉咲花にはこれからも、こういう地味で心をうつ作品にいっぱい出演してもらいたい。

最後に、最高点をつけられなかったわけを。それは、映画の最後の最後にある。むかし、歴史小説家の司馬遼太郎が、「小説を書くとは、一方の割符を読者に預けるようなものである」と言ったが、何故最後にあんな説明がましい演出をする必要があったのか。最後は、観る人を信じてしまえばよかったと思う。