Violet

湯を沸かすほどの熱い愛のVioletのレビュー・感想・評価

湯を沸かすほどの熱い愛(2016年製作の映画)
4.8
「湯を沸かすほどの熱い愛」って、そういうこと!?想像を遥かに超えてきたラストに鈍器で頭をガツーンと殴られたような衝撃を受けた。
本当に見て良かったと思った!!!

映画に散りばめられた様々な赤。
絵の具、車、血、花、そして煙。
この赤は、血が繋がっていようがいまいが、親子だろうが2度と会うことがないような他人だろうが、そんなこと関係なく誰とでもまっすぐに向き合い、心からの声をかける、そんな愛に溢れた双葉を思わせる。

安澄がなぜ手話がわかるのだろうかと思ったいたけれど、その伏線回収で感極まった。
こんな女性いる?本当にすごい。すごいよ。

いつでも笑顔を絶やさず前を向いていた双葉が、「家族」のピラミッドを見て
「死にたくないよ...生きたい、生きたい..」
そう言ったシーンも涙無くして見られない。

出てた役者さんみんな素晴らしかったな。宮沢りえや杉咲花はもう安定の素晴らしさ。大好き。
鮎子を演じた子役の女の子も良かった!
「旅行行くんだ〜、へへっ」ってお父ちゃんに報告するシーン可愛くて好き。
「舟を編む」でも思ったけど、オダギリジョーはこうゆうチャラチャラしててちょっと情けない男をやらせると本当にいい味を出す😂好きだな〜。

「今逃げたら、一生逃げることになるよ。」
今はあんまりこうゆう考え方ないよね。
辛いなら逃げてもいい、辛いなら辞めてもいい。
正直どっちが正しいと言うことはないと思うんだけど、「逃げたらダメだよ」と言って安澄を学校に送った双葉が、心配で家の前でずっと安澄のことを待っていたシーンには心を打たれた。結局、その子のため、その人のために心から言ってることには「愛」があって、その「愛」で人間は困難を乗り越えていくんだと思う。

広い広ーい海のような愛に飲み込まれる感覚に陥るような、そんな作品。
Violet

Violet