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顔のないヒトラーたちのoliveのレビュー・感想・評価

顔のないヒトラーたち(2014年製作の映画)
4.0
都合の悪いことは無かったことにしたい、全ては戦争という異常事態の中で起きたこと、仕方なかったのだと。けれどあったことは無かったことにならない。とくに被害を受けた側は忘れたくても忘れられない、時が経てば忘れられる出来事ではなかった。
皆が忘れたがっている歴史。
ドイツは日本と違って先の大戦と正しく向き合い自らの力で総括をで行った国だと私は思ってた。でもそれは容易なことでなかったことを知った。
「蒸し返すせいで子供が親を問い詰めるようなことになればどうなる?」と問われ「それこそが狙いだ、嘘と沈黙は終わりにする」
正義感に燃える検事の彼の父もナチスだったことを知り苦悩する。近くが当事者だらけだった。
兵士は命令に従っただけ、ならヒトラー一人が何十万人の殺し方一つ一つを指示したのか?否。

幼子を生きたまま人体実験に使うなんで悪魔も怯む所業を行ってしまうのが戦争なのだ。歴史と向き合うことは誰かにとって苦痛であり傷をえぐられるようなものだろうけど、やはり向き合って真実は語り継がれなければならない。私達の国はそれをしてきていないと思う。あったことも無かったことも曖昧にしたままだ。
現在進行系のウクライナを思う。戦争はあっという間に身近に迫るものだと思えば恐ろしい。
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