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イコライザー2のBGのレビュー・感想・評価

イコライザー2(2018年製作の映画)
3.6
本作はレビューしなければならない。そして、マッコールさん信者かつ前作大好きマンとしては受け入れ難い、受け入れ難いよ…。
なぜなら、続編でも2でも何でもねーんですもん。番外編だわ、これ。いや、自己模倣の二次創作ムービーと言ってもいい。ああ、本気でなかったことにしてぇ…泣
好意的に捉えるなら、「エイリアン」における1と2の違いである。もし、これがイコライザー2じゃなかったら、普通に楽しめたと思うんですがね。フークアさんよ、そんなに復讐がしたいんか。

イコライザーとは調整者とか調律者とかそんな感じの和訳になると思うのだが、それは悪が憚る社会における正義の調整者であると同時に、己が内で消えぬ正義と哀しみの果てに辿り着いた孤独との調整者でもあったはずだ。だから、イカれた正義を振りかざすマッコールさんが、何より魅力的だったのではないだろうか。

本作のアバンタイトルにおいて、マッコールさんを乗せた夜行列車がスクリーンに写し出される。その列車が、漆黒の闇夜に浮かぶ月に向かって走り抜ける時、一筋の光もなく先の見えないトンネルに消えゆく時…。俺の心がどれだけ震えたと思ってる!?マッコールさんの帰還に、どれだけ歓喜したと思ってる!?
やってくれたなあ。おい、フークアさんよぉ。

エンターテイメントとしては充分に楽しめるのだが、あまりにも表層的に描かれていくシーンの数々に、もはや別の意味で震える。そして、政治的色合いが滲んできてさえいて、これは世界観は踏襲しながらも、マッコールさんの内面をハードボイルドに語りきった前作とはもう別ジャンルの映画と言っていい。もうリーアム・ニーソン主役で良くない?これなら。

気持ち的には1点台をつけたいのだが、客観性も失いたくないので、スコアはこんなもんか。おそらく前作が好きな人ほど、受け入れ難い凡作。もうフークア監督に多くを求めてはダメかもしれん。前作の面白さを表面的にすくい上げた娯楽アクション。お気軽にどうぞ!
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