かすとり体力

ちはやふる 下の句のかすとり体力のレビュー・感想・評価

ちはやふる 下の句(2016年製作の映画)
3.7
「上の句」が大傑作だったの早速「下の句」を。

上の句の興奮を覚えたまま見ると、どうしても前半が暗い!

広瀬すずの良さは、どちらかというと彼女がポジティティを発揮しているときのほうがより目立つと思うんだよな。
そういう意味で、彼女の葛藤のパートがちょっと長いような気がする。

ただ一方、その他の点は上の句の良さをしっかり引き継ぎ、部分的には発展させることに成功している。

まず、脚本の良さ。
ほんと上の句もそうだったけど、伏線の回収自体が物語を次に展開させていくような作劇をしている。(登場人物が成長する原因自体が何かの伏線回収になっているなど)

このお陰で「伏線が回収された」という純粋な構造的喜びと「主人公の成長を実感できた」という物語的な喜びを同時に味わうことができ、これが観賞の興奮をより一層高めてくれる。

また、キャラクターの魅力。
今回は、松岡茉優演じる若宮が全て持って行った感じでしたね。
突飛なのにとても説得力のあるキャラクター造形で、やはり松岡茉優、やりよる。

意外と彼女の登場作品を観ていない気がするので、ちょっとそういう視点で観賞作品を選んでみようかな。

最後に、試合表現の良さ。
最後の千早と若宮の試合なんか、競技かるたの試合の表現として完璧で、ほんとどうやって撮影しているんだろうと考えてしまうレベル。

一応青春スポーツものにつき、そのスポーツの試合描写が良いってのはやっぱりでかいよね。

ということで、前作が傑作というハードルに負けない、良い続編だっと思う。
かすとり体力

かすとり体力