いののん

ちはやふる 下の句のいののんのレビュー・感想・評価

ちはやふる 下の句(2016年製作の映画)
3.8

主役の千早(広瀬すず)が、競技の最中に立ち上がる。深く呼吸する。目を閉じて思い出す。最もかるたが楽しかった時のことを。競技の流れを変えるために。


個人戦もまた、団体戦である。


よく言われる言葉なのに、國村隼が語ると妙に説得力があり、この言葉に私は深く同意した。

ちゃんと一人のヒトとして、自分の足でしっかりと立ち(自立して)、そのうえで人と手をつないで生きていけたらいい。そのことを自らの理想(?)としてここまで生きてきた自分にとって、〈個人戦もまた団体戦〉の場面は、そのことを具現化しているように、私には思えた。


だからこそ、最もかるたが楽しかったことを千早が思い出すシーンで、幼き3人でのシーンを思い出すだけでなく、それにプラスして高校でみんなと練習しているシーンも思い出して欲しかった。それがあれば、集団が個人を支え、個人が集団を励ますことがより印象的になったと思う。いつも思い出すのは、千早・太一・新の3人の場面だったら、高校で部活動をする意味がなくなってしまうし、脇役がただの添え物になってしまうと思うから。原作を読んでいないのでまちがっているのかもしれないけど。

松岡茉優がとても良い。不敵な笑みに瞬殺されたい。
いののん

いののん