【率直な感想】
新人!
【技術で魅かれたところ】
以前にも書いたがマーベルのCG技術についてはなんの違和感もなかった。スパイディの目の表現が凄かったなあ、ウォッチメンのロールシャッハを思い出した。
【演技で魅かれたところ】
信頼できるデブ、と書いたら失礼だが彼の演技が良かった。この映画は彼もまた主人公だと思える。ヒロインより登場シーン多かったのでは無いか?余計なラブロマンスが少ないのも良かった。
【物語で魅かれたところ】
可能性に満ちた青年の成長奇譚。試練に立ち向かうその姿は美しく、背中を押したくなる。
キングスマンのエグジーを連想したが、あながち外れていないはずだ。ヒーローになる意味を理解し、強さと優しさを持って戦う、観ていてとても楽しめた。
また、メンターとなるスタークも良かった。スタークもそういえば成長を経てヒーローになったキャラクターだ。
今回の敵役のマイケル・キートン演じたヴァルチャーも、スタークの1つの可能性だった。人の命を殺める大量虐殺兵器を作り、売り、儲ける。それがペッパーやハッピー、そしてキャプテンやソーとの出会いで変わっていった。時にはスランプに陥ったり、ピーターよりだいぶ歳行ってからヒーローになった気もするが(笑)
だがヴァルチャーにも大切な仲間が居た、では何が足りなかったのか。それは富だろう。貧しさは人を変える。
しかし富があっても仲間や他人への大切な思いが無いとヴィランになり得るし、仲間がいても貧しければヴィランになり得てしまう。難しい。
でもその中で、貧しくても1人で戦うヒーローも映画にはたくさん居る。
大切なのは諦めないことなんだろうと今一度考えさせられた映画だった。
【どうかと思ったところ】
敵役のマイケル・キートン。元はDCのバットマンや近年だとバードマンでヒーローものの主人公を演じた彼、今回はライバル会社の敵役で出演していたがとても良かった。そう、良かったのがどうかと思うんだ(笑)
ただの敵役ではなく、部下や仲間を大事にする1人の上司であり、家族を愛する父であった。仕事を奪われ、追い詰められた彼の悲劇は理解できるが、やはり人の命や危険を生むその生き方はディランとしてしか評価できない。
だから良かったんだろうな。
でも自分の作った武器で例えば娘が危険に晒されたらどうなるのか考えなかったのだろうか?
その甘さだけが彼の弱点だろう。