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エンド・オブ・キングダムの一人旅のレビュー・感想・評価

エンド・オブ・キングダム(2016年製作の映画)
3.0
ババク・ナジャフィ監督作。

世界各国の首脳を標的とした大規模テロに立ち向かう男の勇姿を描いたサスペンスアクション。

2013年に製作された『エンド・オブ・ホワイトハウス』の続編で、監督はアントワーン・フークアからババク・ナジャフィにバトンタッチされていますが、主演のジェラルド・バトラーを始めアーロン・エッカート、モーガン・フリーマン、アンジェラ・バセット、ラダ・ミッチェルらメインキャストは前作と同一です。

ホワイトハウスが狙われた前作からスケールが大幅アップしています。今回は殺害された英国首相の葬儀に参列するため訪英した各国の首脳を標的とした大規模なテロが発生、訪英中のアメリカ大統領の警護を担当する主人公が事件の背後で暗躍する武器商人の陰謀に立ち向かっていくというお話であります。

一連のテロ攻撃-無差別銃撃、橋爆破、大規模停電、スティンガー攻撃…によって壊滅するロンドン中心部の惨状が迫力ある映像で活写されていて、軍用ヘリがフレアを焚いて被弾を回避するシーンやクラッシュ連続の市街カーチェイスは見応え充分です。しかも味方内に多数の敵が紛れ込んでいるという“敵・味方の区別不能”な状況が一層の緊張を生んでいます。

その後の流れは前作と大体同じ-主人公のガチ無双で、銃撃・格闘・ステルス行動…とオールマイティーな活躍を披露してくれますが、敵に対して情け容赦無用の主人公の怒りフルパワーな殺戮風景に烏合のモブ敵が可哀想に思えてきます(段々主人公が悪者に見えてくる不思議)。

そもそも警備体制が不自然に緩すぎるなど突っ込み所が散見されますし、能天気なアメリカ万歳的着地(他国の首脳はみんな死んでいるのに…)もいまいち釈然としません。加えて「俺たちアメリカ合衆国は100年後も安泰だ!」と豪語する主人公の愛国心全開の発言は、米国第一主義を掲げるトランプ政権の理念が反映されています。
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