Inagaquilala

LBJ ケネディの意志を継いだ男のInagaquilalaのレビュー・感想・評価

4.0
実は、アメリカでは2016年に公開された作品だ。出演者が地味なのか、はたまた題材となったリンドン・ジョンソン大統領の知名度がいまひとつなのか、その理由はわからないが、ケネディ大統領暗殺(1963年11月22日)から55年(これも中途半端だ)たったいま、日本で封切られた。ケネディ暗殺の後を受け、選挙で選ばれない大統領に就任したジョンソン大統領を演じる「地味」な主演はウッディ・ハレルソン。たぶん、「スリー・ビルボード」の好演で、この作品の公開となったのかもしれない。

実は、そんなことはどうでもいいのだ。この作品は実に観ごたえのある政治ドラマだ。Netflixの「ハウス・オブ・カード」が好きな人間なら、結構楽しめると思う。とくに、ケネディ大統領がダラスに着いたところからはじまる前半は、民衆に不人気な存在感薄い副大統領のジョンソンの過去と、暗殺事件がオーバーラツプしながら進み、この過去と現在の往還は、とても心憎い組み立てでできている。作品のちょうど中盤あたりで、ケネディ大統領が暗殺され、副大統領のジョンソンが就任するあたりからは、やや展開は単調になるが、知られざるジョンソン大統領のエピソードも盛り込まれ、なかなか興味深い内容となっている。ちなみにタイトルの「LBJ」は、リンドン・ベインズ・ジョンソンの略。作品のなかでは、ケネティの「JFK」に対抗してジョンソンが自称したと描かれている。
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