塩湖

或る終焉の塩湖のレビュー・感想・評価

或る終焉(2015年製作の映画)
3.5
ティム・ロスがジムのランニングマシンに乗り走る場面は、ハネケ『71フラグメンツ』の卓球シーンにもあるような惰性的運動ならではの歪な緊張感をみる側に抱かせる。それは終盤に建物外で行われるランニングと繋がり、果てにある、あの思考を忘れてしまう程ショッキングな「終焉」の描写がもつ強度を高める役割をも買っている。端から見ればその発生が唐突に思える出来事には、しかしそこに至るまでの個人の時間と精神の流れが確かに尾のようについて回っているんだな、と。主人公による他人とのきょりの置き方が印象深い映画でもあった。
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