明石です

ヴィジットの明石ですのレビュー・感想・評価

ヴィジット(2015年製作の映画)
3.7
生まれて初めて祖父母のもとを訪れたティーンの姉弟が、人里離れた祖父母宅でトラウマ級の体験をする話。幽霊系ホラーだと思い敬遠してましたが、意外とハードな人怖映画でした。これは、、良作だと思う。

「祖父母の家で1週間過ごすことになった。せっかくだから映画にして思い出を残そう!」と意気込んでカメラを回していたら恐ろしいものが写ってしまう、というブレアウィッチ・プロジェクト的展開。本作が制作されたのは2015年とのことで、POVは以前よりも下火だった印象ですが、原点回帰!とやらを目指すシャマラン監督はあえてこの撮り方を選んだのでしょうか。

私的にPOV形式の映画は「なんでわざわざそこでカメラを回すの?」ってツッコミが生じてしまうと、不自然さを拭えず面白くなくなる。その点この作品は良い。映画監督気取りのティーンエージャー(姉)は、いつでもどこでもカメラを回したがる笑。いわば大人とは違って不自然さが許される年代の子供が主人公だから、不自然なのも自然。絶妙なところを突いてくるシャマラン氏。あと固定カメラ置いて撮るあたりはパラノーマルアクティビティみたいで好きでした。

いやあ、怖かった。。老女が犬みたいに四つん這いで這って走ってくるシーンは思わず再生止めちゃった。1人称視点だから視線の逃げ場がなくて余計に怖い。そして祖父母が「何か」の存在を頑なに隠し通そうとして嘘ついてるあたりが人怖感漂っててとても好き。細かいところだけど、オーブンに体入れて掃除させようとするシーンはかなり怖くてお気に入りの一番面。

映画監督気取りの姉とラッパーかぶれの弟。若気の至りと言えばそれまでですが、私的にはこの2人、序盤からけっこう嫌いでした笑。できれば泣き叫ぶほどの惨劇に遭ってほしいなとバイアスむき出しで見てたらたら、ちゃんと遭ってくれました。余計な効果音とかなしに、シンプルに画のインパクトだけで怖がらせてくるのはとっても気持ちがいい。そして終盤の「その人たち〇〇じゃないわ」という告白、ゾッとしたよ。。

夜に1人で見たら怖すぎました(夜に1人で見れないって、ホラー映画には最高の賛辞では?)最近のホラーは効果音でびっくりさせるばかりで、純粋な恐怖心を味わえないものが多かったから尚更そう思う。さすがはシャマラン監督。良作をありがサンクストカゲの尻尾。でもやっぱりラッパー気取りのティーンは不快!
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