シネラー

シン・エヴァンゲリオン劇場版のシネラーのレビュー・感想・評価

4.5
年単位で待ちに待った完結編。
一先ず、延期を重ねながらも本作が
無事に公開される事に感謝し、
公開初日の朝一に鑑賞。
鑑賞後の率直な想いとしては、
終わってしまったという喪失感と
見事な結末への感動が残った。

内容に関しては、
ネタバレになるので多く言わないが、
前半は碇シンジの成長を
後半がWILLEとNERVの全面対決となっている。
全編通して、
"Q"で失われた"序"や"破"にあったもの
が帰って来たという印象があり、
そういった部分での驚きと喜びが大きかった。
その上で、"Q"での出来事を
無駄にしていない描写は上手いと思った。
結局のところ、
TVシリーズや旧劇場版の結末と同様に、
自身と他者との関係への葛藤が描かれるが、
その部分でのシンジの決断はとても大人らしく感じられた。
結局は自分が変わらなければ、
世界も変わらないと思えた。

終盤の展開に関しては、
エヴァらしく難解ではあるものの、
シンジのやらなくてはいけない事が
台詞等から汲み取れる内容となっているので、
難解なりの易しさは感じられた。
又、戦闘シーンについては、
エヴァらしい演出がされている部分もあり、
単純な格好良さを求めている人にとっては、
肩透かしを受けるかもしれない。

上映終了後には疎らな拍手も聞かれた
思い出深い映画鑑賞となったが、
個人的には"ありがとう"と"さようなら"
を言いたい完結編だった。
しかし、自分の心に残り続ける作品
だと思うので、
"また、会う為のおまじない"として
"さようなら"と言っておこうと思う。
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