oba

シン・エヴァンゲリオン劇場版のobaのネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

3/11。

ずっと泣かされてました。

エヴァンゲリオン世界にやっと帰ってきた感覚が大きかった。
人の営みを吸収していくレイ、痛いほどの困難に折れないアスカ、親ではない他人としてシンジを送り出すミサトさんを中心に、Qに登場しなかった同級生たちの逞しく生きる姿であったり、VILLEの面々の無茶振りに死ぬ気で対応する姿であったり。

ゲンドウが旧劇においても心血を注いだ人類補完計画への情熱の根源がわかったり、加持のサラッと言った言葉が深く残る感じだったりも懐かしさもあった。

でもなによりヒカリがレイに説いた「おはようは今日を一緒に生きていくためのおまじない」で情緒がぐちゃぐちゃになってしまいました。
挿入歌に使われた「VOYAGER〜日付のない墓標」のサビと繋がる概念で、1日1日と、そこにあなたがいることを大切に思う熱量がこれでもかというほどこもった言葉。遍く人を救う身近さのある人間讃歌。素晴らしすぎる。
庵野監督がうつ状態から立ち直るにあたって大切にしてきた言葉なんだろうなと身に染みて感じます。
この言葉があるからラストの第四の壁表現が虚構も現実も関係なく、人を思うことはできるってメッセージとして効いてくるわけで。
ヒカリ役の岩男潤子さんが「ヒカリが優しい人と結婚できて本当によかった」とインタビューで残してるのもまた来るものがあります。

自己啓発として投げやりだった新世紀を越え、世界終了エンドの旧劇を越えて、最後に救いとして君臨してくれた。信じてきてよかった。
ありがとう、ヱヴァンゲリヲン、エヴァンゲリオン。

追記。

改めて思い返すとコア化した赤いパリや第三村付近の踏切とかの美術に吸い込まれそうなほどうっとりした。

アスカオリジナル(元アスカ)は単に式波シリーズのオリジナルとしても、それが惣流・アスカ・ラングレーだとしてもどちらでもいいと思います。旧世からの記憶を引き継ぐ存在(カヲル、ネブカドネザル状態ゲンドウなど)がいる以上式波アスカを形作るうえで惣流アスカの影響があったことは間違いない。どちらでも僕は熱いですが、惣流アスカを赤い浜辺に閉じ込めておくことは僕にはできない、どのアスカも救われていてほしいとは思っています。

今作のネオンジェネシスは個人的には仮面ライダー龍騎式の世界ループには該当しないと思っています。既存の世界にヴンダーに積まれていた種とエヴァ・インフィニティとしてコア化されていた人類と元あったテクスチャから、エヴァンゲリオンと使徒を封印し新劇世界で散った魂とともにガフの扉の向こう(マイナス宇宙)に持ち帰りエヴァのいない新世紀を作った、と解釈するのがいいと思います。
エヴァのいない世界で実写の宇部新川駅周辺を映し出していましたが、あくまでもあれもエヴァ世界の中にエヴァがいない、必要な教訓が現実と変わらないだけで現実ではないと認識するのもまたいいでしょう。現実に帰れと諭された気がする方はあれもフィクションの中だと認識するのが貴方のためです。

以下主要人物のネオンジェネシス下の結末まとめ、自分用です。

シンジ→マリにサルベージされ生存。
マリ→生存。
綾波レイ(REI-02,ぽか波)→試作初号機の中で14年間生存しシンクロ率を誤認させ続けていた。シンジに救済されマイナス宇宙へ補完。
アヤナミレイ(仮称)(REI-06,黒波,そっくりさん)→元がLCLでできているため定期メンテをしないでいい時間が切れて死亡。(中盤)
アスカ→元アスカ(式波オリジナル)と意識が統合され13号機に搭乗し使徒としてアナザーインパクトを引き起こす鍵になる。マイナス宇宙にてネオンジェネシスの鍵となり補完。
ケンスケ→アスカに付いて自らも補完?生存?
トウジ・ヒカリ一家、第三村の人々→アナザーインパクトのコア化を生存しているのでコア化抑制柱が保っていればおそらく生存。
ミサト→戦死。加持が「葛城と農業でも〜」と発言しているためおそらくその後補完。
加持→サードインパクト阻止時にすでに故人。補完?
ミサト以外のWILLE→南極を離脱し生存。
カヲル→Qで死亡した後新たな個体が目覚めたかは謎、目覚めていてもいなくてもシンジに救済され補完。
ゲンドウ→マイナス宇宙にて13号機に乗りネオンジェネシスを起こすため残り補完。
ユイ→初号機の中に魂があり、ネオンジェネシスを起こすために残ろうとしたシンジを追い出し補完。
冬月→戦死。描写はないが補完?
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