四畳半ガールのび太

シン・エヴァンゲリオン劇場版の四畳半ガールのび太のネタバレレビュー・内容・結末

4.9

このレビューはネタバレを含みます

大人になったね、シンジくん。

コンディション調整に失敗し前半はまさかの眠かったため正直全体の感想は分からないです。二回目観ても分からなそうだけど。

多様なテーマが重層的に絡まってるのは前提としつつも、本作は改めて「オトナとコドモの話」だと思った。
これは旧劇からも分かることだけど、ゲンドウは愛する人と世界を天秤にかけて、前者を選んだ。このコドモ性が、シンジの成長が描かれることで特に際立って強調されたと思う。邪推だが庵野監督自身がある程度ゲンドウに自己を投影しているのではないかと思わざるを得ない。コドモのままオトナの体になってしまった存在。これは、コドモの体のままでオトナになるエヴァの呪縛との対比される関係にある。

そして本作を語る上で最も重要になると同時に、僕が本作を語り得ないことを示すものとして作品との関係における視聴者の成長というメタ的な視点が挙げられると思う。つまり、旧劇を観た当時の自分と、時を経て新劇の終劇を観る自分、この対比を意識して初めて作品へのより深い理解が成立するのではないだろうか。この点において、あくまで短期間に擬似的な追体験をした自分は体感としては深い理解ができてないんじゃないかと思う。

とても初見レビュー欄で全ての感想は書けないけど、個人的な究極の感想としては、旧劇と比べて納得感を伴った終了という感じがしたのが一番良かったです。ではその差異はどこから生まれたのかというと、今日に至るまでの実際に流れた時間が監督を変えたことに起因するのではあるまいか。
本作の絶対的なベースとして旧劇が存在する。そしてこの二作は対であるように捉えることができる。絶望の旧劇と希望の新劇。どちらの終わり方も本当に素晴らしいと思うけど、前者から感じられなかった納得感があったことが本作の方のスコアを高くした理由の全て。

破に代表されるエンターテイメント性と旧劇から引き継いだ表現性を融合させていると思う。これは監督一人ではなし得なかったことのはずだ。本作の制作に携わった全ての人に拍手を送りたい。

というわけで近いうちに二週目しようと思います。個人的には何が起きたかとか世界観の設定考察よりも、トゥルーマンショー的な世界をメタ的に捉える演出や、線画部分を登場させてこれまた作品をメタ的に取り扱っている演出についての考察系動画が出てほしい。

すごい!