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俳優 亀岡拓次のkochabのレビュー・感想・評価

俳優 亀岡拓次(2016年製作の映画)
4.5
主演、安田顕さん。水曜どうでしょうのファンからすると多くの方が「あのスーツアクター(Onちゃん)をやってた安田さんがね~、主演俳優だよ。ビックリだよ。」と思って映画館へと行っている方も多いのではないでしょうか。私もその一人。やっぱり気になって映画館へと行ってきました。

と言ってもまずは監督の話からしましょうか。その方がわかりやすいかと。
横浜聡子さんが監督、そして脚本も書かれていますが、私から見たらこの方はなかなかにいい腕をお持ちの監督さんなんだな~、と思いました。特徴的なところを上げるならば、シーンシーンによってですが、割と長めの尺をとっている点ですね。例えば居酒屋でのシーンなどは間もしっかりとりつつ、長めの尺をとっている。これがその場面での「落ち着き」と言ったところを表し、ひいてはそれが「大人の時間」を演出しているのだと思います。
そして私が見るにこの横浜監督は主演の安田さんをずいぶんと買っているな、と言うのが脚本からも伝わりますね。多分、「この素材はこういう料理法がありますよ。いや、こっちもいいですよ。オススメです」とさながら、一つの素材を様々なアレンジで提供する料理人がごとくです。だからそう、「もっと安田顕を知ってください」という雰囲気が映画の随所に感じられます。

そして主演の安田顕さん。その監督の「愛」ともとれる期待に見事に応えていたな、と思いました。時にヤクザの若頭かと思ったら、今度はそこでいびられる宿屋の主人とか。もう何でも有りだけれども、亀岡が出演する作品と、また亀岡の私生活(と言ってもどこか「俳優としての」私生活であって、亀岡の本音の部分での感情というものは本当に深いところにあって表面には出てこない人なんだな、と私は見ています)でのギャップなども上手く生かしたところをこれまた上手~く安田さん演じていたな、と。いやいや引き出しを一杯お持ちで。

脇を固める俳優陣もおもしろかったですね。

麻生久美子さんはもちろんですが、一部では「これがモデルか」という役もありましたね。黒澤監督であり、ガラスの仮面に出てくる月影千草しかり。ここを山崎努氏やそれこそ三田佳子さんとか見ているこっちがビックリしたくらい。他にも旬な俳優が出ていたり。そうそう麻生さんのお父さん役、ちょっと名前ど忘れしてしまって。(分かったらブログ書き直します)こちらも本当の意味での名脇役。最近ご無沙汰でしたが、確かに本作のように「何でも演じられる」という安心感がある方ほど実際は目立たないのかもしれませんね。

最後に、私、本作は続きを作ろうとすれば作れるのでは?と思うのですけど...。(^^ゞ
もちろん原作次第でしょうが、この亀岡、有名監督作品で火がついて、人気に戸惑う中、生まれ育った場所(できれば北海道かw?)で自分を見つける、みたいな展開で。で、また人気が無い頃のような脇役に戻っていく、みたいな、ね、いかがですかね??

と、続編が見たい、と思うくらいなご活躍でしたね、「安田さん」。(*^^)v
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