Inagaquilala

エブリバディ・ウォンツ・サム!! 世界はボクらの手の中にのInagaquilalaのレビュー・感想・評価

3.6
冒頭、いきなりザ・ナックの「マイ・シャローナ」が流れてきて、早くもテンション上がる。週明けからは大学が始まるという金曜日から物語は始まる。新入生として大学の野球部の寮に入ることになったジェイクの身の回りに起こる「ファンダンゴ」を、時間を追って描いた作品。

ジョージ・ルーカス監督の出世作である「アメリカン・グラフィティ」を思わせるつくりではあるが、こちは古き良きフィフティーズではなく、時代は「マイ・シャローナ」(正確にはこの曲は1979年の曲)の1980年。乱痴気騒ぎも度を越していて、酒あり、女の子あり、ドラッグありの狂乱の3日間が繰り広げられる。

主人公は野球をするために大学に入学したのだが、ただの運動バカではなく、少々頭も切れる。寮では個性豊かな面々が待ち受けており、前半は野球のシーンなどまるでなく、パーティーのシーンばかり。

そのなかで、ジェイクはアート系の女の子に心を惹かれ、彼女を射止めるための恋物語も展開する。

新学期まであと何日何時間というカウントダウンのなかで、次々と学生たちの祭りのときが繰り広げられるが、その馬鹿さ加減には少々呆れるくらい。「アメリカン・グライフィティ」の少し物悲しさを感じさせるトーンとは明らかに一線を画す。

まあ、あまりなにも考えず、青春のファンダンゴを楽しめばよいのだろうが、それでどうなるの、という考えも観ているうちに頭をもたげ、気づけば新学期が始まっている。1980年、この年の12月、ジョン・レノンは凶弾に倒れた。乱痴気騒ぎはいつまでも続かない。
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