青いむーみん

団地の青いむーみんのレビュー・感想・評価

団地(2015年製作の映画)
4.1
久しぶりの藤山直美×阪本順治作品。相手役は岸部一徳。もう既に画が見えるキャストだ。そして実際この二人の夫婦漫才は間違いなかったし、会場も大いに沸いていた。その二人だけでなく団地全体で漫才が行われているような世界であり、THE大阪という感じ。
 そんな中に意外な人が一人キャスティングされている。斎藤工だ。石橋蓮司、大楠道代など団地のメンバーと比べるとあからさまに浮いていて、役どころも変人の類であり、面白いキャスティングになっていると思う。
 【DANCHI】なんでもありえる昭和の集合住宅。ウワサが転がる小宇宙。このキャッチコピーの内容を頭に入れておいてください。この映画はあくまでこのキャッチコピーのような話ですので。ちなみに昭和の話ではありません。石橋蓮司が常に首からスマホをこれ見よがしにぶら下げていたり、テレビは液晶だったりします。
 ネタバレなしにすると非常に内容に触れづらい類の映画です。ただ言っておきたいのは、阪本順治監督尖ってます。攻めてます。団地からこの展開をさせるなんてどうやって思いついたのかさっぱり分かりません。わりと序盤で斎藤工のキャラと藤山直美の台詞でどうなるかってのは大方読めますけど、5、60代であろう大半のお客さん達が心配になりました。それぐらい攻めてます。他の映画とは異なります。そういう特殊性のある映画は貴重なので観られて非常に嬉しいです。
 疑問に思う部分はありますがメインの筋が面白いのでそれほど気になりませんでした。 
 笑える変わった邦画を見たいなら是非観てください。今年の邦画良作ラッシュの一つとなること間違いありません。