父母ともに癌

団地の父母ともに癌のレビュー・感想・評価

団地(2015年製作の映画)
3.8
面白かった。
リアルを超えたリアルを纏った団地という世界に異世界が侵食してくる面白さ。
団地は記号的なほどに俗世で、異世界は気持ちいいくらいに異世界だ。
この二つの世界を藤山直美と岸部一徳と漢方が繋いでいる。
おもろくないわけないよな、と思う。
団地のどうしようもない人間関係の感じをコミカル、という枠からはみ出ずみ描写しているのは好感が持てるし、石橋蓮司や竹内郁子、濱田マリなどがかなりいい味を出している。
藤山直美と岸部一徳は凄い。
藤山直美は一度も美人女優であったことはないわけで、なのにそのフラとエロキューションの素晴らしさで主演を務めきって飽きさせない。
また岸部一徳の無表情は凄い。映画によっちゃあ死ぬほど怖い時もあるけど、今回はちゃんとその無表情が滑稽だ。
二人の会話のテンポと間は素晴らしいものがあり、物語の空気をどんどん作り出していく。
変な映画ではあると思うけど、大好きな空気の映画だった。
父母ともに癌

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