天豆てんまめ

僕だけがいない街の天豆てんまめのレビュー・感想・評価

僕だけがいない街(2016年製作の映画)
2.9
ドラマ「リバース」からの流れで息子たちに俄か藤原竜也ブームが来ているので、この作品を一緒に観る。幼き頃の同級生の女子と現在の自分の母親を救うべくリバイバル(タイムリープ)を繰り返す話。最近の藤原竜也シリーズの中では一番普通の青年といった感じ。彼をとことん支える有村架純の動機付けが弱い。そして、大人藤原竜也シーンよりも子供時代のシークエンスが長いのが作品のテンポを落とす。藤原竜也の母親にしては若すぎる石田ゆり子は相変わらず綺麗。原作は傑作らしいのだけど未見。そして、映画としては後半の畳み方が甘い。もったいない。タイムリープものとしては残念ながら傑作「バタフライ・エフェクト」に遠く及ばず。

前半にリバイバル(タイムリープ)して子供時代で事件解決に動くシークエンスに尺を取り過ぎて、クライマックスの現代シーンの解決がお粗末。しかもあれだけ頑張って犯人突き止めても、数十年放置されて、犯罪続けていたなら解決にならない。という後味の悪さ。脚本は後藤法子さん。どうしちゃったのだろう。良く知る大好きな脚本家なのだけど。

その後、なんとも釈然としない私の顔を観た長男(彼にも「バタフライ・エフェクト」を見せている。中3にしてかなりの映画眼を持ってると思う)はWEBで漫画原作のストーリーを洗って、説明してくれたのだが、そちらは伏線と筋道を丁寧に通している。省略の芸術と言われる映画ではあるが、この作品においてはその「省略」が見事に作品の余韻と納得感を削ってしまった。私と長男は子供時代のシーンを短くし、最後のシークエンスと子供時代の間の空白をきちんと埋める必要があったと語らいながら、今日の映画会を終えるのであった。次男は2人の会話に必死についていこうとするが、眠くてむにゃむにゃしてる。息子たちと夜の映画会もたまにはいいものです。次は何を観ようかしら。藤原竜也シリーズでは「バトル・ロワイヤル」と「カイジ」にはまだ早いのでまたいつの日か。