はこ

ドント・ブリーズのはこのレビュー・感想・評価

ドント・ブリーズ(2016年製作の映画)
4.0
この映画の作者はおそらく映画のことをただ観るのではなく、どのように撮り、語るべきなのかということを一生懸命に学んだ人なんだと思う。オープニングの空撮は蛇足だけど。チンピラ3人は盲目の老人がひとり住んでいる住居に盗みに入る。しかしその老人は元軍人で且つ、極めて用心深く、盲人ならでは行動に秀でた男だった。ただの住居だったのに狭いフィールドを舞台にした殺し合いに発展してしまう。よくサスペンスのシーンで「**すれば~」と物申すわりにはさして深いことを言っていない鬱陶しい御仁がいるが、その口を塞ぐように画面が設計されている。「おお」と思う反面、カットがすべて「説明」してしまっている。これを是とするか非とするかちょっと悩む。その仕掛けをあたまのなかでどこのシーンで作用するのか楽しめる人は向いているし、あくまでサプライズを望む人には向かない。ぼくは内容そのものは短いランタイムでまとめたことを評価するけど、どこか釈然としないものが残る。数えるほどだけど。とはいえ、色々と学ぶものがある秀才じみた映画でした。今年観る映画はこれでおしまい。
はこ

はこ