Hoshiduru

永い言い訳のHoshiduruのレビュー・感想・評価

永い言い訳(2016年製作の映画)
4.1
なんの積み重ねもないくせにめちゃくちゃ感動したりする人間が嫌いでさ、ただ乗りされてる気分になって、だから自分が涙を流すときにもいつも「この涙は大げさじゃないかなあ」「私には泣く資格があるかなあ」って考えてしまう。

幸夫の葬儀関連の振る舞いに不快感がなかったのは、やっぱり妻の死のときに不倫してたから、という背景があるおかげだなあと今ふと気がついた。前後を知らずにテレビとかで幸夫を見たら一丁前にモヤッとするだろうけれど、不倫してたのが竹原ピストルだったら、胸糞悪すぎて吐いただろうな。

私は自分の感覚とペースで、いろいろなことを思い感じる自由があるし、それは誰にも侵されるべきでも、誰のその自由も侵すべきでもないのだと強く感じた。
だから、少しずれてしまう自分は肯定することとして。


劇中での子供の咽び泣きで頭がカーッとなって、殴るイメージがばっと出てしまって怖くなって(これは傷害強迫とよばれるけれど)、これが私が絶対に子育てをしたくない理由。誰かに手を上げたことはもちろんないけれど、もしかしたら、がずっと怖い。それが子供相手だったら最悪だ、とも思う。
自分が苦しい思いをしてきたから、同じような人を助けたいという気持ちが湧いていたけれど、あるとき不意にそれが復讐心にすり替わってることに気がついて、自分がクソだと感じてしまったから、人を助けることも全て、なんか嘘な感じがしちゃって、なんもできなくなっちゃった。

実際はそんなことないのかもしれないけれど、結局自分で信じられなくなってしまったら、そこで終わりなんだと思う。
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