このレビューはネタバレを含みます
まだ自分の居場所がないところでのあのひりひりとした瞬間の連続を、まだ懐かしむよりも疼く痛みとして感じてしまう距離感なので、結構しんどくなってしまって、短い映画なのに途中で一回休憩を挟んでしまった。
私が休憩を挟んだのはモノローグが始まったところだったのだけれど、そこからがずっと良かった。
なんとなく東京の土地から浮いていた主人公が、あこがれの先輩という接地面ができた瞬間にぱっと華やぐ感じ、東京を自分の土地にしていく感じがとても良かった。
あの妙なズレというか上滑りはこの後半のための前振りだったのだと思うと、休憩してしまったのは惜しくなるほど、その変化は美しく、見惚れてしまった。