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バーニング・オーシャンのpikaのレビュー・感想・評価

バーニング・オーシャン(2016年製作の映画)
4.0
見たかったもんが見れた満足感が凄い。
実話なので不謹慎極まりないですがワンダフルな上級ディザスタームービーでした。
大大大爆発の恐ろしさに身が震えた。あれは凄い。恐ろしスィー!船上も海中も銃撃戦のど真ん中みたいな恐ろしさに涙が出そうになった。自宅で見てこれってんだから劇場だったらもっと凄まじかったんだろうな。いいな。
序盤のベタなほどの『嫌な予感がするぜ』的な煽りとマルコヴィッチの通常運転過ぎる悪役っぷりが20世紀後半あたりのディザスタームービーの王道な雰囲気で好みが分かれそうだけど個人的にはそこまでベタ過ぎもせず古臭さも感じずモタモタしてもいなかったので許容範囲だった。
何を言っているのかよくわからないけど何だかヤバそうなトークの応酬も面白い。なかなかの尺を取っているけどじわじわと緊張感が高まっていくのはそそられる。燃え盛る炎の中狭い船内を避難していく様子を手ブレカメラでカチカチ切り替えて行く演出も見にくいながらもパニック感を見事に煽っている。
カート・ラッセルもマーク・ウォールバーグもいい具合にスター感をひけらかさず役に染まってて良かった。
フィクションならベタだけど実話ってんだからってのを敢えて目指したような、映画みたいなことが実際に起きているんだよ!と問題提起として実話をわざわざ映画にした価値を見せるのも良い。単に話題性やマーケティング云々だと思惑は透けて見える。
PTSD描写も入れたり、ラストで亡くなった方へ追悼の意を汲んでいるのも凄く良い。一つのミスで、油断で取り返しの付かないことになるんだよと。まざまざとその恐ろしさを体感させることで見せる説得力は映画の規模ならではだなと。近年の事故で死者がいるからか助かって大団円なトーンにならなかったのも好印象。
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