青いむーみん

後妻業の女の青いむーみんのレビュー・感想・評価

後妻業の女(2016年製作の映画)
3.2
「通天閣どころやない。スカイツリーや」で物議をかもした一作。観てきました。この映画大別するとクライムコメディでテーマといえるようなものは特にない。話の上手さも特にない。あったのは大竹しのぶと豊川悦司の濃いキャラのお芝居だけ。そこが楽しめれば全編それなりに楽しめる。スカイツリーに笑えなくても。
 いつからかこういう伝えたいことがまるでない映画が多くなってきた。所謂テレビ的な映画だ。こういうタイプの映画は本当に記憶に残らない。見た尻から忘れていく。撮った人がテレビ屋なのだから当然なんだろうけど笑わせるための展開ばっかりで話の芯というものがまるでなかった。
 ちなみにこの映画、舞台は大阪だがパーフェクトな関西弁を話している人間は一人を除いていない。ほとんど似非関西弁。大阪出身のトヨエツですらイントネーションがおかしいところがある。鶴瓶もテレビでよく見る変な関西丁寧語で話していておかしい。努力賞はハセキョウ。彼女が一番関西弁に近かった。唯一のパーフェクトな関西弁は鶴光。台詞に縛られず非常に自然だった。そこはVシネ臭がした。そう、この映画Vシネっぽいんだとそこで気付かされた。だからテーマがなくて物語が始まって終わる間に笑いのネタを散りばめておけばOKみたいな作りになっているのかと思い知った。それで満足して帰ってくれる客が多いからまだまだこういうのが作られ続けるんだろう。
 と、割りと悪く書いたけど映画と思わなければつまらなくもないし、キャリーバッグネタとか知ってる人は笑えると思う。