あんがすざろっく

レディ・プレイヤー1のあんがすざろっくのネタバレレビュー・内容・結末

レディ・プレイヤー1(2018年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

やりましたね、スピルバーグ‼︎楽しかった〜‼︎
開幕早々、ヴァン・ヘイレンの「ジャンプ」ですよ。その後も80年代、70年代のヒット曲で大盛り上がり、エンディングはホール&オーツの「ユー・メイク・マイ・ドリームス」ですか。
スピルバーグの監督作で、これだけ往年のヒット曲が満載に流れる作品って、今までなかったんじゃないかな。
なんかここまでベタと言うか、ストレートなのって、スピルバーグには珍しい気がします。
大人の視点じゃなくて、完全に少年の視点です。
これが「ペンタゴン・ペーパーズ」を撮った監督の作品とは。
いやいや、確かにスピルバーグはもうずっと、そんなスタンスを取ってましたね。エンタメ「ジュラシックパーク」とドラマ「シンドラーのリスト」を同時に撮ってしまう監督さんですから。

自分がやりたいことをやりたかったら、偉くなれ。

なんかの映画でこんな台詞がありましたが、映画界の頂点に立ったスピルバーグだからこそ出来た、やりたいこと。
でもそれは決して独りよがりでも観客を置き去りにする訳でもなく、大人達も一気に童心に返らせるマジックのような作品でした。
どちらかと言うと、重い雰囲気になりそうな映像世界を、スピルバーグはあくまでも楽しく、ライトな感覚で描ききりました。
デロリアンの疾走は、予告で観るよりカッコよかった‼︎しかも音楽はアラン・シルヴェストリですよ‼︎それだけで熱くなります。
あっ、スピルバーグの作品でジョン・ウィリアムズが流れないのも久しぶり‼︎

僕は映画や音楽は3度の飯より大好きですが、ゲームには全く無知なので(ゲーセンに行くと頭が痛くなるのです)、ゲームに出てくるキャラクターは分かりませんでしたが、それでも少しは隠れキャラ見つけました‼︎キティちゃん、ばつ丸、けろっぴ、タートルズにジェイソン、ビートルジュース。まだまだ一杯いるんでしょうな。皆さんはどれぐらい見つけましたか?

さてさて、本筋に戻って、これは来たるべきVR世界の可能性と警笛を鳴らす作品でした。
主人公のウェイドはVRの世界で美少女アルテミスと出会い、思いを募らせます。ところが、友人のエイチに(この友人でさえ、会ったこともない)、仮想世界の可愛い子に熱を上げるな、現実にはデブなオタク野郎かも知れないんだぞ、と釘を刺されます。おまけに、アルテミスにやっと自分の思いを告げたのに、あなたは空想の世界に生きてる、現実を見なさい、実際に私と会ったら幻滅するわ、と諭されてしまう。
僕はSNSとかツィッターはやってないから分かりませんけど、やっぱり仮想世界で誰かと繋がると、実際に相手と会ってみたくなるものでしょうか。
本作はVRの世界にどっぷり浸かってしまってるウェイドの成長物語でもあります。
中盤、ウェイドは現実世界のアルテミスに遂に出会えます。
あれ、普通に可愛いじゃん(笑)。
これならウェイドも幻滅する訳がない。いいなぁ。
アルテミスを演じたオリヴィア・クックも良かったですけど、IOIのソレントの部下フナーレを演じたハナ・ジョン=カーメンも魅力的。「ブレードランナー2049」のシルヴィア・フークスを思い出させます。もうちょっと活躍して欲しかったな。
トータルして、80年代、70年代のポップカルチャーの魅力をごった煮状態にし、正に動体視力を鍛える作品になりました。また観なきゃ。
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