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クロエ~無垢な娼婦~のsuのネタバレレビュー・内容・結末

クロエ~無垢な娼婦~(1996年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

内容をそのまま示す様なタイトルは秀逸だと感じた。
風呂敷を広げ過ぎず、かつ簡潔にまとまった脚本で、特別な予備知識の要請もなく観られるのは佳いものだと思った。
売春に身をやつし始めたクロエの、男なんて、要らないという旨の発言が、カティアに対して恋愛を勧めていた当初の彼女のシーンを即座に想起させ、いつの間にかカティアの男性観と合致している彼女を見た所で、カティアが娼婦だった事を示唆しているようだった。クロエが凌辱される程に、彼女の無垢さが力強く強調されるようで、それが観客を不思議と鼓舞するような感覚があった。
終わりのシーンで、線路に寝そべったのは、冒頭のシーンと重なる。その生存が示唆したのは、今後の光明の象徴だろうか。そこに寝た意味は冒頭の、青春のよろめきのような危うさではなく、真剣な生と死のせめぎ合いだったはず。
本作でもそうだったが、父親不在。映画作品の何か普通でない事が起きる家庭は、片親である事が多いような気がする。
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