うかりシネマ

ベイビー・ドライバーのうかりシネマのネタバレレビュー・内容・結末

ベイビー・ドライバー(2017年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

ベイビーは強盗の逃走用のドライバーを任されていた。天才的な運転技術で、毎回組む相手を変えるボスからも例外で重宝されていた。
ベイビーは裏社会から足を洗いたがっていたが、家族や友人を盾に脅され、ドライバーを続けさせられる。

いくつかの仕事を経て徐々にパーソナリティが明かされ、セリフを先行させるスピーディーな演出も相まって、テンポがいい。
ベイビーの孤独さは悲しく、悪事から抜け出せない日々も心が痛む。
常に音楽を聴いているベイビーの選曲は劇中のアクションと一体化して、グルーヴに溢れる。カーアクションは単調にならないよう撮られ、卓越したセンスも現実的に説得力をもって描かれる。

強盗稼業はある仕事をきっかけに、歯車が狂っていく。どんどん状況が悪化し、何もかもが誤った方向に進み続ける。ベイビーの歩みは破滅的で目を覆いたくなる。
青春映画やマフィア映画など複数のジャンルを内包し、それらが調和している。
作中では『モンスターズ・インク』と『ファイト・クラブ』が引用され、本作を雄弁に指し示している。