にょいりん

ベイビー・ドライバーのにょいりんのレビュー・感想・評価

ベイビー・ドライバー(2017年製作の映画)
4.0
重低音ウーハー上映で鑑賞。
この映画は絶対に爆音環境で観た方が良い、と確信してましたがやはり正解でした。

映画のほぼ全編に渡って音楽が鳴っており、各シーンの風景やアクションと絶妙にシンクロしていて、それがとても快感な映画でした。
とくに銃撃戦やカーアクションのシーンで、ピッタリだったり意外だったりする選曲の音楽に激しい銃声やエンジン音が重なっていたのには鳥肌が立つほど興奮しました。
ジョンスペの「Bellbottoms」の爆音と共に繰り広げられるオープニングの逃走劇から一気に気分が加速しました。

さらに、この映画はクライムサスペンスとしても強烈で悪くて血みどろな狂気が渦巻いているのですが、ところどころに主人公ベイビーとウェイトレスの彼女の恋が甘くまぶされて胸キュンになったりと味付けは様々なのに、その加減にいちいち気が利いています。

主人公ベイビーは難聴による耳鳴りをまぎらわす為にいつでもイヤホンで音楽を聞き続けています。
その姿は音楽愛好者を通り越してまるで音楽中毒者のようです。
至急に逃げなきゃいけない場面でもお気に入りの音楽が見つかるまでは出発できないほどですから。
目の前の風景をきらめく様に美しくしたり、気分を上げたりするのが音楽の作用です。そしてそこには常に快楽が伴っていますが、その快楽がこの映画にはギュウギュウに詰まっていました。