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ベイビー・ドライバーのdeenityのレビュー・感想・評価

ベイビー・ドライバー(2017年製作の映画)
4.6
記念の800本目!なんか仕事との兼ね合いもわかるようになってきてペースが上がってきてる気がする!もっといろんな作品に出会いたいものです!
ということで本作。まったくノーチェックでしたが評判だけを頼りに鑑賞してきました。それにケヴィン・スペイシーやジェイミー・フォックスなんて大物も名を揃えていますし、結構期待して行きましたが、十分期待に応えてくれる完成度だったと思います。
一言で本作を例えるなら「カーチェイス・ミュージカル」とかいうイメージらしく、想像し難かったのですが、確かにその通りですね。カーアクションとミュージカルが絶妙に噛み合った素晴らしい作品でした。

ストーリーとしてはニコラス・ウェンディング・レフン監督の『ドライヴ』を彷彿とさせる展開ですが、本作には本作ならではの魅力もあり、一切引けを取らないので比較して見るのも面白い見方かもしれません。

主演を務めるのはアンセル・エルゴート。あまり知りませんでしたが、イケメンで今後が楽しみな役者です。その主役のベイビーが凄腕逃し屋ドライバーで、幼い頃の事故の影響での耳鳴りを抑えるために常に音楽を聴いているという一見変わった主人公です。しかし、ドライビング技術は一流で、常に音楽を聴くというミステリアスな雰囲気も相まってかなり惹かれるキャラクターだという印象を受けました。

「カーチェイス・ミュージカル」の「ミュージカル」の部分はこの音楽の要素と大きく関わります。実際の曲が使用されるのはもちろんのこと、カーアクションや銃撃戦までリズムを刻んだ見せ方へのこだわりがあり、かなりオシャンティーな作りです。コインランドリーのシーンなどは色彩にも工夫をし、目でも楽しめるのはこの作品の魅力として欠かせないでしょう。

まあでもその前に、冒頭のカーチェイスシーンで一気に虜にされるのは間違いないでしょうね。いきなりの激しいカーアクションは…ってあれ?恋をしてその子のために…ってあれあれ?やっぱり『ドライヴ』と共通する部分が多いですね。
でも十分差別化はできてると思います。
万人ウケする爽快なミュージカル色強いのが『ベイビー・ドライバー』、大人めハードボイルドでサスペンス色強いのが『ドライヴ』。
明るくノリノリになれるのが『ベイビー・ドライバー』、クールでスタイリッシュなのが『ドライヴ』。
愛おしいおじいちゃんが出るのが『ベイビー・ドライバー』、愛おしい子どもが出るのが『ドライヴ』。
爽やか好青年のアンセル・エルゴートを見たいなら『ベイビー・ドライバー』、ワイルドイケメンなライアン・ゴズリングを見たいなら『ドライヴ』。
お茶目な可愛らしさで守りたくなるリリー・ジェームズがヒロインなのが『ベイビー・ドライバー』、妖艶なキュートさで守りたくなるキャリー・マリガンがヒロインなのが『ドライヴ』。
どちらも寡黙だけど、感情豊かに表現するのが『ベイビー・ドライバー』、しっとりと染み渡るように表現するのが『ドライヴ』。
共通項があるからこそいろんな比較ができて面白いので、ぜひセットで『ドライヴ』を見るのをオススメしたいですね。

とりあえず間違いなく面白い作品でした。もっと突き抜けてもいいかな、とも思いましたが、結構敵キャラも個性があってその割に理屈で物事を考えるキャラクターが多かった辺りは好感を持てた反面、ベイビーが最後に暴れまくるのはキャラクター像として若干引いちゃった部分もあったので突き抜けが足らないのも一長一短かと思いました。
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