映画として良きかどうかは別として、
なかなかトリッキーな論理構築に面食らってしまった。
現実の反転として、主に役割についての女性優位社会(これがユートピアに見えるんだから面白い)から、現実の男性優位社会へとシフトし、そこから弁証法的に、役割から解放された「個人」の物語へと続く。(OPの2001年オマージュも母親という役割ごっこの終わりを描いてもいて、、)
ただこの単純化された大枠に対して細部に反証めいたものが散らばっておるので、なかなか掴みづらいところが味わい深いのではないだろうか。バチェラーバチェロレッテを老若男女でヤイノヤイノ言いながら観るような環境で鑑賞したいもんである。
が、やはり映画として良きかどうかと言われればかなり疑問。
正直バービーランドの違和感を醸し出すような作り込みから、ジャックタチの「プレイタイム」的アプローチを感じはしたが(マテル社の美術的に意識したのは確実)、運動的な見せ場はほぼ皆無で残念。実写じゃないけど映像化としては「トイストーリー3」に勝てているとは思わない。そりゃ勝てるわけないんだが。
個人的には、楽しそうなウィルフェレルが見られたからOK。
あとゴッドファーザーのあの件に関しては、以後本当に気をつけようと思います。
