なお

バービーのなおのレビュー・感想・評価

バービー(2023年製作の映画)
3.4
今年最大級の期待作。

自分が子どものころはバービーやリカちゃんなどのいわゆる着せ替え人形で遊んだ経験はほぼなく、むしろその真逆、スーパー戦隊の合体ロボットだとか、ウルトラマンのソフビ人形で怪獣ごっこに興じていた根っからの「男の子」だった。

バービー人形なんて、本作の公開を機に映画館の物販コーナーに並べられていたものを生で見たのが初めてかもしれない。

✏️Hi, Ken!
期待値★4.0⇒実測値★3.4…といった感じの映画。
もう少しコメディ的で、わかりやすくガハガハ笑えるシーンが多いのかな~~と期待していたんだけど、意外と骨太の内容だった印象。

バービーの歴史をしっかりと紐解き、時に「黒歴史」ともなっているバービーファミリーの一員の存在をなだめすかし、そしてイジる。
(冒頭『2001年宇宙の旅』のオマージュには笑った)

洋画らしいブラックジョークやメタ発言上等!といった感じで、このへんは人を選びそうな感じ。

当該シーンにて、自分含めた数人が笑っていることは認識できたが、それ以外のお客はスン…と静まり返っており「何が面白いの?」と無言の訴えかけ。
笑いのツボは人それぞれなので何とも言えないが、こうした「ブラックジョーク」「メタ発言」といった笑いのノリを受け入れられるかで本作の評価は分かれそうなところ。

あと全体的なテンポの悪さ。
2時間切りの作品の割には、退屈な時間帯が長く感じる。

特に映画において一番脂の乗ってくる時間帯であるはずの中盤~終盤にかけての、バービーとケンたちを巡るドタバタ劇は若干グダッ…として締まりのない印象を受けた。

本作の根底にある、人類が誕生してから脈々と受け継がれてきた、これまでの男性優位でホモソーシャルな世界をなじり、皮肉るような作風は良かった。

自分が足を運んだ上映回には女性のお客が多かった(自分の両隣も女性だった)のだけれど、鑑賞中自分がちょっと肩身が狭い感覚がするくらいには的を射ているメッセージがふんだんに含まれていて、単なるコメディ映画としては落着しない重みがあるとさえ思った。

ただ、それを観客に伝えるまでのストロークに難があるこの感じ。
もう少しこの間の悪さを改善できていれば、個人的な評価はもっと上がったに違いない。

☑️まとめ
今から半世紀以上前に生まれ、今もなお愛され続けるバービー人形。

今回マーゴット・ロビーが演じた金髪・白人のバービーのほか、黒人のバービー、車いすに座るバービー、プラスサイズのバービーなど、我々が住む世界と同じく様々な特徴を持ったバービーが本作には登場する。

最近ではダウン症の特徴を持ったバービーも発売されるなど、常に多様性の最先端をいく玩具、それがバービー人形。

鑑賞直後は「なぜバービーを題材に、これほどまでにメッセージ性たっぷりの作風にしたのだろう…?」と疑問に思っていたが、これまでのバービーの歴史を紐解けばそれも納得。

「男女平等」
この永遠のテーマを解決するカギは、意外とこのバービー人形のような、何気ない身近なおもちゃたちが握っているのかもしれない。

<作品スコア>
😂笑 い:★★★★☆
😲驚 き:★★★★☆
🥲感 動:★★★☆☆
📖物 語:★★★★☆
🏃‍♂️テンポ:★★☆☆☆

🎬2023年鑑賞数:81(38)
※カッコ内は劇場鑑賞数
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